数年前のことですが、

東京の母のような存在の叔母が他界しました。

 

約50年前チェコスロバキアに渡り、

19年の歳月をその地で過ごした叔母。

今でこそ日本人が住むのも珍しくないチェコですが、

当時は相当の苦労があったことでしょう。

 

芸術家のような感性を持ち、

私にたくさんの刺激をくれた尊敬する叔母。

 

そんな叔母のお通夜・告別式で、

会場いっぱいに私の作った香りを薫らせる、

<香りのプロデュース>・・なんて、

そんなおおげさなものではないけれど、

従姉妹の計らいでそんな経験をさせてもらいました。

 

通常の場合、

仏教のお墓があれば

そこのお寺さんの住職にお経をあげてもらうのが

筋なのでしょうけれど、

 

芸術的な感性を受け継いだ従姉妹(叔母の娘)は

チェコでの生活が長い叔母を思い、

 

式は無宗教・献花方式でお焼香はせず、

 叔母を知るお花屋さんに会場を

センスのよいクールなお花で埋めつくしてもらい、

叔母の若い頃からの写真や大きなコラージュをいっぱいに飾り、

情熱的だけど切ないラテン音楽を流し、

そこに私の作った香りを漂わせる。

そんなこだわりのあるオリジナルな見送り方にしたのでした。 

 

大好きな叔母との最後のお別れの式。

叔母が眠る空間を香りで飾る。

どんな香りにしよう。

 

 叔母が気に入ってくれて、

 弔問にいらした方の心にスッと入る香り。

 でも決して前に出すぎない香り。

名脇役のような。

  

   いろいろな組み合わせを考える中で、

 どうしても使いたい精油がありました。

 

それは「ローズマリー」。

 

 この精油は

「集中力や記憶力をUPさせてくれる」働きを持つ精油として

知られていますが、

 

古代ギリシャでは、

葬儀の際には「死者の事を忘れないように」という、

 薫香として焚かれていたのです。

 

ですから、その日いらした方に

 「どうか叔母の事を忘れないで。ずっと憶えていてください。」

 という願いと叔母への敬意を込めて、

 ブレンドの1つに「ローズマリー」を必ず使おうと決めました。

 

あの香り、叔母は喜んでくれたでしょうか。

 

いつも私を応援してくれた叔母が、

 最後にもアロマセラピストとしての活動の場を

私に与えてくれた、そんな気がします。

(ちょっと気障っぽいけど)